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……メイド喫茶。
(メイド服のクラスメイド達……。はっ、なんて事だ、誤字を産んで仕舞うほど動揺してただなんて!)
クラス中が盛り上がる中、隼斗は黒板に意見を書き出す。が、
--ゾクゾクっ!
と、背筋に冷たい物を感じた。
恐る恐る、原因を探る(と、言うより大体予測は出来るが)べく後ろを見ると口元を釣り上げ手の関節を鳴らすリリスの姿が。
「メイド喫茶…?それってつまり女子だけキモい客に愛想振り撒きながら仕事するんでしょ。 男尊女卑の時代は過ぎたはずだよね?」
恐怖でしか無かった。
盛り上がっていた男子諸君も冷ややかな女子陣の視線をやっと気が付いたのか、急に小さくなる。
が、意外な男はそんな常識となりつつあるこの空気を破壊する。
「そうだな…残念、皆かわいいからそのメイド喫茶とやらを執り行う上でかなり優位だと思うのにね」
ルイスである。
クラスの女子陣の表情に明らかな動揺が波打つ。
ルイスは男子から見てもカッコイイと思うくらいハンサムフェイスの持ち主だ。
そんなルイスにかわいいと言われた日には……。
「私、やってもいいかなぁ」
一人の小柄な女子が消極的にだが呟く。
「私も…」
「あたしも!」
それに続き、どんどん前向きな賛成票を獲得していき、残るはリリスのみとなった。
「さぁ、リリスちゃん。君の選択を皆待ってるんだぜ?」
勝利を確信した笑みを浮かべた氷室がリリスに問い掛ける。
隼斗は既に賛成票に入れており、助けを求める者はいない。
「うぅっ。分かった…賛成票を入れる」
「「「いやっほぉぉぉぉおおおおおおおおいい!」」」
他のクラスが授業をしている中だが、そんなのお構い無しだ。
男子諸君が勝利の雄叫びを上げ、女子は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「だけど条件付きだからねっ!」
「「「わああああい………って、えっ?」」」
クラスの全員にビシッと指を差し水色の髪を揺らす。
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