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「メイドがあるなら執事もある!だからあんた達男は執事喫茶を開くワケ!」
「なっ……!」
氷室の表情が崩れる。
予想だにしなかった反論に男子諸君の顔にも明らかな動揺が走る。
「確かに、うちのクラスの男子は他のクラスと比べてイケメン率高いよね」
「うんうん。きっと成功すると思うけどなぁ」
女子陣の追い討ちを受け、完全に男子諸君は落ちた。
「「「やってやるぜぇぇえええええええ!!」」」
氷室拓哉を筆頭に拳を握る男子諸君が集まっていく。
「男子なんかに負けないんだからねっ!」
こちらはこちらでリリスを筆頭に女子陣が集まり会議を始めてしまった。
「……あ、オレは…」
一人取り残された隼斗は呆気にとらわれ黒板の文字を眺める。
『従者喫茶』
とっさに浮かんだ単語と喫茶を繋げてみると、なんとも滑稽な名前になってしまった。
(普通、出し物は一つのはずなんだけどなぁ……)
素朴な疑問と、こんな時に消えた我等が怠慢担任の顔が浮かぶ。
「隼斗~、男子はこっちで作戦会議だぜ。
お前もこっちに来いよ」
氷室が手を振り上げで隼斗を呼ぶ。
「まぁ……いいか…?」
春海魔法学園の学園祭がどんなの物かは知らないが、何とかなる。
開き直る道を選び、隼斗も氷室が開く会議の輪の中に向かうのであった。
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