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~4年前~
「受験票はちゃんと持ったのー?」
「お弁当は?」
「大丈夫だってば!!行ってきまーす。」
今日は遂に中学受験。
自分なりに勉強もしたし、頑張れるはずだ!
やばい!急がないと電車に間に合わない。
「ギリギリセーフ。ちょっとでも復習しておくか。」
うとうと...
「次は二条、二条です。」
ん?もう着いたのか。
寝てしまってたのか...
結構受験生っぽいのが増えてきたなー。
「えぇーと、この教室か。」
めっちゃ緊張してきたー。
「ねぇねぇ?」
ん?誰だろう?
「この問題わからないかな?緊張してど忘れしちゃったんだ~」
うわっ、全然わかんね~(笑)
「ごめん。俺も緊張してど忘れしちゃった。」
ってことにしとくか(笑)
「そっか。変にプレッシャーかけちゃってごめんね。お互い頑張ろうね。」
そっと笑いかけられたその笑顔に少し視線がズレる...
「うん。頑張ろう!!」
「ただいまより、試験を始めます。」
...「終了!!各自筆記用具を置いてしばらくお待ちください。」
全然わかんね...
こりゃレベルが違いすぎる。
「では、ただいまから面接を行いますので各自移動してください。」
次は面接か~。
余計に緊張するな。
おっ、あれはさっきの子だ!
「あっさっきの。試験どうだった?」
不意に話しかけられて少ししどろもどろに...
「えーと、全然でした...」
「そっかぁ。メグも全然駄目だったよ。」
メグって言うのか。
「次は面接だね~。何を聞かれたりするんだろうね?」
「次!7121番!」
「やっとメグの番だ~。あっそうだ。はい、これメグの携帯の番号。携帯があったらかけてきてね。まぁよかったらだけど。じゃあね。」
あっけにとられちゃったな...
そうだ!!
「待って!名前を教えて?」
「そうだね。忘れてたよ。メグは『朝倉恵美』って言うの。君は?」
「俺は川嶋大輔。」
「そっか。また会えるといいね。」
「次の人早くしなさい!」
朝倉恵美...か。
彼女の笑顔がまだ頭にちらついてる。
ブンブン。
今は面接に集中しないと。
「次、7196番!」
「はいっ。今行きます。」
ここから全てが始まったんだ...。
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