シミ

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シミ 私の学校の2階にある 科学実験教室の天井に大きな 黒い目の様な形のシミが あるんですよ、 最初こそ「雨漏り?」って 思いましたが考えなくても そこは2階、私の学校は4階まで あって皆 「いくらなんでもそれ(雨漏り) は有り得ないだろう。」と 「実験が失敗して薬品が 飛び散ったんだろう。」 と結論付けたが如何せん不気味で 、先生方に頼み込みそこに ペンキを塗っていただき、 なるべく天井を見ぬ様にして ハイ、お了い。 記憶の片隅へとシミの事を 追いやってしまったのです、 元卒業生の先生があの言葉を 放つまでは…… 「あれ……?あのシミなんか私の いた頃より大きくない?」 そう聞いた瞬間、 3月程前に沈めた記憶が 浮き上がり、 私は底冷えを感じた、 何故先生はシミの話をするか、 理由は至って単純だ、先生には 【見えて】いるのだ、あのシミが、 しかし何故?あのシミは先生方が 塗り潰してしまったはず…… しかし先生には【見えて】いる、 一体何故?私は背中に 湿った視線と冷たい汗が流れる のを感じながら 斜め後ろを見上げた、そして 気付いてしまったのだ、 シミが浮き出て来ていることに、 周りの生徒達はある者は驚愕し、 またある者は悲鳴を上げて 教室から逃げ出してしまった。 それらを追うように、 天井のそれは鈍く、 ギョロリと動いた 気がする。
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