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矢沢 百合 39歳 子供達を保育園に預け 朝9時~16時まで小さな車の修理工場で事務員として働き出した。 住宅ローンや車のローンなど無いものの 不況の煽りを受けた旦那の会社は ボーナスが無くなり、生活はいっぱいいっぱいだったため少しでも足しにしたくてパートに出始めたのだ。 平日の昼間だけ… しかも小さい子供が居ると なかなか融通の効く条件に合う仕事は見つからなかったが 独身時代の知り合いの紹介でなんとか雇ってもらえることになった。 社長と整備士の2人だけの小さな修理工場。 電話もあまり鳴らず、来客も少ない… よって 時給は安かったが 融通が効くのはとても有り難かった。 社長と言っても自らが修理をするし 整備士の(中沢さん)と2人お客様の車を回送したりするため、私は留守番かお茶の用意、たまに書類を持っておつかい…が主な仕事だった。 工場から聴こえるFMラジオが唯一の楽しみになっていた。
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