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「待て…この四隅の箱…」
俺は気づいた。四隅に黒い箱が設置されている。
そして…同時にそれが何なのか、それも気づいてしまった。
「爆弾だ…」
奥平が怯えたように言った。
石の壁に力なく寄りかかり、俺の右手をチラッと見た。
「爆弾?俺もそう思ったが‥言い切れないだろ?」
「可愛い子ちゃんは黙ってろ、あんたは心が馬鹿みたいに綺麗だから分からないんだよ…これは、爆弾だ…」
「じゃあこのスイッチは?」
その問いに奥平は答えなかった。
先ほどまでの余裕な表情は消えていた。それはきっと…俺の右手に握られているスイッチ…このスイッチが紛れもない、爆弾の起爆スイッチだからだ。
「このスイッチ…」
「や…やめろ!てめぇも吹き飛ぶぞ!」
もはや奥平の声など耳に入らなかった。
やっと…
やっとこいつを殺すチャンスが出来た…でも…もしこいつを殺したら…俺も死ぬ。かと言って、このまま行動しなければ、奴は自由になり、もう奴を殺すことは出来ないだろう。
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