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俺たちは三人並んで教室へと向かっていった。
「F組F組……あ、ここか」
「ふう……やっと着いた」
怜はなにやら疲れたような表情を浮かべる。まあ、教室に向かう途中でも翔のテンションに振り回されてたからな。疲れるのは当たり前か。
「うし、オハヨーみんな!!」
翔は教室の目の前に着くなりいきなりドアを開けて笑顔で挨拶していく。
その声に教室にいた全員の視線が集まるも翔はそんなこと気にしない、という風に「オハヨー!!」などと挨拶していった。
「あいつのああいう物怖じしない性格が今は羨ましいな……」
「ま、どんな救えない人間でも必ず一つは褒めれるところがあるということだな。てか突っ立ってると邪魔になるだろ? さっさと入るぞ」
「あ、ちょっ!!」
怜が再び厳しいことを言ったのち、翔に続いて教室へと入っていった。
いやでもさ、俺にだって心の準備が………
「って、教室入るだけでどんだけ緊張してんだよ俺は」
翔みたいにできなくてもせめて怜みたいに自然体で入ればいいだけなのだ。
「すぅ……はぁ……よし!!」
俺は深呼吸して体中の筋肉をほぐし、意を決して教室へと入っていった。
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