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キーンコーンカーンコーン
「はーい。皆さん席に着いてくださーい」
それから少し経った後、始業のチャイムとともに先生が教室に入ってきた。
それと同時に翔たちも自分の席に座る。
「えっと、入学式始まるまではその席順でいいわ。入学式終わったあとに名前の五十音順に先生から見て左の席に座ってね」
先生は俺たち生徒を見回しながら言った。それにしてもなかなか綺麗な先生だ。肩で切りそろえている黒髪も温和そうな光を宿した茶色の瞳も、この先生が一目で美人であることが分かる。
「これから三年間、君たちと学校生活をともにする沢城椛です。みんなよろしくね♪」
自己紹介とともに茶目っ気たっぷりにウィンクをする先生。
それも何故かハマっていて男子からは「うぉおおお!!」などの野太い歓声があがり、女子からは「可愛いー!!」などの嬌声があがった。
「あはは、ありがとー!! みんな元気いっぱいだね♪それじゃあみんな入学式が始まるから廊下に出てね」
そんな生徒たちのアホな反応も笑って軽く手を振り、そろそろ入学式の時間のためみんな廊下に整列するよう促す。
俺、怜を除いた全ての生徒は(当然ながら翔も含む。本当にノリのいい奴だ)「はーい!!」と今日初めて顔を合わせたとは思えないほど息の合った返事をして、教室を出た。
何はともあれ、葵高校での学校生活もなかなか楽しくなりそうだな。
そんな予感とともに俺は教室を出た。
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