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「そう言えば葵高校の入学式って今日だっけ?」
「ん? まあな。そういえばお前はまだ春休みか」
朝飯を食ってる途中、俺は奈月の質問に答える。
奈月は今年で中学三年生になるから俺とは違う日程なのだ。
「うん。まあ、家に居ると騒がれないから静かで楽だよ」
「さすがファンクラブまで作られてる奈月だな………」
「私にとっては迷惑でしかないよ………」
妹の奈月は中学でファンクラブが作られるほどの美少女だ。
小柄の体に背中の中ほどまであるさらさらの茶髪をポニーテールにしており、大きな瞳で顔立ちは家族の贔屓目無しでもかなり整ってる。
性格は明るく誰にも分け隔てなく接するし、生徒会長をやってて信頼も厚く、成績優秀で運動神経抜群。
まあ、なぜ俺の妹なのか分からないくらいの完璧超人だ。
男女問わずに人気があり、告白する人は数知れず。
「はあ……私は付き合う気無いのになあ」
「そうだよな。お前はあいつ以外付き合う気無いよな」
俺はニヤニヤ笑いながら奈月を見ている。
「な、ななな何をい、いい言ってるのよにに兄さんは!!」
奈月は顔を真っ赤にさせながら俺に怒鳴る。
奈月は小学生の時からずっととある人物に片思いしているのだ。
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