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「お、着いた着いた」
「どっかのバカの所為で余計な労力を浪費したがな」
「おい怜、さすがにそれは泣くぞ!!」
それからしばらくして、俺たちは葵高校の校門前に着いた。
「なあなあ、早く行こうぜ早く行こうぜ!!」
翔が目を輝かせながら玄関の方を指差す。
「はいはい、慌てなくても学校は逃げねえんだからよ」
「ま、おおかたクラス分け表でも見て絶望に浸りたいんだろ?」
「なんで俺が絶望する前提なんだよ!! そんなこといいから早く行こうぜ!!」
翔は律儀にも怜にツッコミを入れた後、走って中庭へと向かっていった。
「怜、あいつ行っちまったけどどうする?」
俺は苦笑しながら隣の怜に訊く。
「あのバカに付き合ってりゃ体力がいくらあっても足りない。俺らは歩いていくぞ」
「はいはい、りょーかいりょーかい」
俺と怜は翔の後を追うようにゆっくりと歩いていった。
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