入団試験

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ソマ村近辺の森―― 「なぁ、ローガン」 「はい?」 「今任務中だぜ?何で本なんか読んでんだよ」 本なんか?どうやらナハトさんとは気が合わなさそうだ… 「『魔具(ツール)』は知ってますよね?」 「当然だろ、魔術師なら誰でも持ってる。でもそれがその本とどんな関係があるってんだ?」 コイツ、バカなのか…? 「その魔具のひとつ『魔導書』ですよ」 それもただの『魔導書』じゃないんですけどね 「ふーん…… お!ターゲット発見」 ナハトさんの視線の先には二人の王国兵がいた その手に抱えられているファイガンは早く自身の力を発揮したいように見える 「で、どうするんですか?」 「ハッ、どうする?こうするに決まってんだろォ!!」 とナハトさんは私達が隠れていた茂みからとびだして―― 「よぉ、セトのバカども!こんばんは!!出会って早々悪ィが、眠って貰うぜ?」 バカはアンタだ!何やってんだ!? 「何だ貴様!?名を名乗れェ!」 当然王国兵は銃を構えた。 私も参戦するしかないな、と思っていたその時―― ナハトさんは空間の切れ目を作って、そこに手を入れ…… 「義勇団『天狼』のナハトだ。以後よろしく」 刀を引っ張り出した 「焔刀『煉獄』―― 燃え尽きなァ!!!」 「「グァァァァ!!!」」 ナハトさんは二人に反撃する暇を与えず倒した というより死んでません?火が出てるし 「ナハトさん、あの二人って……」 「死んでねぇぞ?峰打ちだし、火も何もしなくても10秒で消える」 10秒なら死ねると思いますけど…? 「それに、別の奴等に見せたからあいつらの矛先はこっちに向いた。楽しみだぜ」 私は浮かれている戦闘狂を一発殴ってから、再び王国兵捜索に向かった―― ――セト王国第53中隊キャンプ 「フォルカス少尉! 義勇団『天狼』の奴等が現れたそうです! このままだと任務にもししょ……」 「うるさいぞ。もっと静かに喋れ」 「ハッ!すみませんでした! でも『天狼』の奴等が相手となると少し厳しいのでは?」 するとフォルカス=ラーグナー少尉は低く笑い 「面白い限りじゃねぇか。ちょうど座ってんのが退屈してたんでな――」 「少尉?まさか…」 「あぁ、儂が叩き潰してやろう。 兵士一人も殺せぬ輩に殺し合いに負けるものか…」
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