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フォルカスが森に立った同時刻
デュークとライアは生存者達の住処で生存者の保護と、住処に他の生存者を導いていた
「ねぇデュー君…」
「どうした?」
「セアラ君のあの『焔』、おかしくなかった?だって、ただの『焔』なら団長室全焼なんて有り得ないでしょ?」
「あぁ、確かにただの『焔』なら普通に揉み消してる」
「――でも、そんなことは俺達の心配することじゃない。むしろ歓迎するべきだ。どうしても気になるってんなら任務後に聞くんだな
え、包帯?はい――よし、いいですよ」
そうだね、とライアも保護に戻った――
ソマ村の森――
「へぇ~、日陰野郎の割にゃあよくやるじゃねえか」
私達の前には、倒した王国兵が積み重なって山となっていた
「ありがとうございます
でも、少ないのではないですか?
矛先が向いてるんでしょう?」
「オゥ、確かに少ねぇな。増援呼んだんじゃねぇのかよ?」
「心配するな。儂がその増援じゃよ」
「ウオ!?」
「なッ!?」
急に背後から声がしたため、構えて振り向くと一人の老将が立っていた
しかも、その身に纏っている覇気は彼の強さをよく表していた
「儂はセト王国第53中隊隊長フォルカス=ラーグナー少尉である!
よければ名を聞かせい
儂は殺した相手の名は覚えておくたちなのでな」
「セアラ=ローガン、コイツはナハト=ルーカスです」
「さぁ、殺り合おうぜェ、オッサン!」
「ほう、抜かしおるわ。どれ……」
老将は魔法の詠唱を始めた
だんだん空気が張り詰めていく――
!この詠唱は――
「飛べぇぇ!!!」
「ア?ん、ウォォ!?」
跳んだ瞬間、地面が爆ぜた
間違いない、この魔法は――
「ほう、いい勘をしとるわ
左様、この魔法の名は『土腕(クラッカー)』
そして儂は土魔法使い『土蜘蛛のフォルカス』じゃ!!」
『土腕』――
攻撃対象の半径20mの地面が爆ぜる魔法
厄介だな――
「続けて喰らえ!
『地柱(アースブレス)』!!」
老将は拳を地面に叩き付けると
私達の下から土の柱が出てきた
「チィ、土器にして返してやらぁ!
『炎龍尾(エンタツビ)』ィ!!」
「グッ…『激流弾(スプラッシュ)』!!」
ガシャァァァ!
二つの柱はなんとか崩れた
ニヤリ
何故笑ってるんだ?
―――!!?
見てみると全身何かが刺さっていた
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