義勇団『天狼』

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「ちょっとデュークさん、待ってくれ!俺がこんな新入りとコンビ!? こんな日陰野郎と!?冗談じゃない!」 日陰野郎だと? 聞き捨てなりませんね…… 「……オイ」 「アァ!?んだ、やんのかぁ!?」 「日陰野郎だと?読書とナイフ磨きの趣味の何処が日陰―――日陰か……」 「……つー事でデュークさん、コイツとのコンビはやめ――」 「ナハト、これ以上言ったら……分かるよな?」 デューク殿は先程の威圧感と共に膨大な魔力をナハトさんに向けていた もしナハトさんが言い終えてたら、今頃塵に等しくなっていただろう 「ハァ……分かりました。新入り」 「セアラ=ローガンです」 「……ナハト=ルーカスだ、よろしく」 「よろしくお願いしますナハトさん」 こうしてナハトさんとコンビを結成し、私は『天狼』に入団した 「改めてよろしくねセアラ君!!」 と、ポニーテールの女性が後ろから抱きついてきた あの……背中にその……胸が当たってますけど…… 「あ、え、えぇと…」 「そういえば自己紹介してなかったね」 そういうと彼女は離れて 「私はライア=カイン、副団長よ。好きなのは唄うこととラズベリーね」 「ハイ!ライアさん、よろしくお願いします!」 麗しの副団長ライアさんは一度微笑んでから団長殿に振り向いた 「デュー君!!!」 「何だ」 「セアラ君の入団を記念して、今夜はパーティよ!」 今私は感涙の極みに達していた まさか、私の為にパーティを開いてくれるなんて思ってなかった。 ――だが、 「無理だ」 「えー!?何で!?」 「仕事が入ってる。これからチュートリアル代わりに二人を連れていくつもりだ」 仕事――― しかもただの仕事じゃなさそうだ…… そう、これは―― 「この仕事の報酬金は団長室の修繕費にぴったり当てはまる」 「もしかしてその仕事って―――」 「そうだ。セアラ、これが真の入団試験だ」
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