23人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっとデュークさん、待ってくれ!俺がこんな新入りとコンビ!?
こんな日陰野郎と!?冗談じゃない!」
日陰野郎だと?
聞き捨てなりませんね……
「……オイ」
「アァ!?んだ、やんのかぁ!?」
「日陰野郎だと?読書とナイフ磨きの趣味の何処が日陰―――日陰か……」
「……つー事でデュークさん、コイツとのコンビはやめ――」
「ナハト、これ以上言ったら……分かるよな?」
デューク殿は先程の威圧感と共に膨大な魔力をナハトさんに向けていた
もしナハトさんが言い終えてたら、今頃塵に等しくなっていただろう
「ハァ……分かりました。新入り」
「セアラ=ローガンです」
「……ナハト=ルーカスだ、よろしく」
「よろしくお願いしますナハトさん」
こうしてナハトさんとコンビを結成し、私は『天狼』に入団した
「改めてよろしくねセアラ君!!」
と、ポニーテールの女性が後ろから抱きついてきた
あの……背中にその……胸が当たってますけど……
「あ、え、えぇと…」
「そういえば自己紹介してなかったね」
そういうと彼女は離れて
「私はライア=カイン、副団長よ。好きなのは唄うこととラズベリーね」
「ハイ!ライアさん、よろしくお願いします!」
麗しの副団長ライアさんは一度微笑んでから団長殿に振り向いた
「デュー君!!!」
「何だ」
「セアラ君の入団を記念して、今夜はパーティよ!」
今私は感涙の極みに達していた
まさか、私の為にパーティを開いてくれるなんて思ってなかった。
――だが、
「無理だ」
「えー!?何で!?」
「仕事が入ってる。これからチュートリアル代わりに二人を連れていくつもりだ」
仕事―――
しかもただの仕事じゃなさそうだ……
そう、これは――
「この仕事の報酬金は団長室の修繕費にぴったり当てはまる」
「もしかしてその仕事って―――」
「そうだ。セアラ、これが真の入団試験だ」
最初のコメントを投稿しよう!