23人が本棚に入れています
本棚に追加
夜が訪れたロックドルマの中を『岩鳥』ドルバードという鳥を用いた馬車ならぬ鳥車が、デューク殿と私とナハトさんにライアさんを乗せて移動していた――
「デューク殿……」
「あぁ、殿はやめてくれ、やりにくい」
「はい、分かりました。
それよりその…入団試験となる仕事の内容を教えて欲しいのですが……」
「ウム、まず今向かってる場所から説明しよう」
「ハイ」
「ウス」
「向かってる場所はソマ村跡地近辺。つい先日セトに潰されたところだ」
「えぇ、確か新型の『魔導銃剣焔型(ファイガン)』のテストでしたっけ?馬鹿馬鹿しい……」
「あぁ、そしてここからが本題だ。
セトはその潰されたソマ村の生存者狩りを行なっているらしい。
だから生存者の方々に、ソマ村近辺の生存者の保護と王国兵の撃退という依頼を受けた」
「そして、お前らには撃退の方をやってもらう。
あと、ナハトは分かってると思うが――
何があっても誰も殺すな
それだけは守――」
「それは出来ない相談ですね」
「…何故?」
「殺さずに撤退させるということを成す為にはかなりの力量が必要です。貴方やライアさんみたいな猛者の中の猛者というならまだしも、私にはやりきる自信はありません」
本当のことだ、というよりむしろ殺せばいいんだ。あんな獣ども
すると怒るわけでもなくデュークさんは
「とにかくダメだ!
ま、ナハトは分かってるから後で聞きな」
といい、それから目的地に着くまで誰も何も話さなかった
最初のコメントを投稿しよう!