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「そんなに気に入らないなら殺しちゃえば?」
突然聞こえたその声は、俺の体を恐怖で縛り付けた。
その声は少年のように無邪気で、だけど冷めていて、それでいて俺の体が凍折付くほどの恐怖を秘めている。
そんな感じがした。
俺は恐怖を両の奥歯で噛み殺し、振り返りざまに誰だと声の主へと訪ねた。
その時俺は初めてそいつの姿を見た。黒のローブのような物を身にまとい顔には深くフードをかぶっている。
只それだけなのに俺の体は目を閉じることすら出来ないほど怯えていた。
そいつが口を開こうとしているのがわかると俺の体は震え出した。
「僕はね・・・・」
そこから先は聞いちゃいけない気がした。
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