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「君が佐久間君か。我が校に来て貰えて、嬉しく思うよ」
「……はい」
今俺と対峙しているのは、この学校の校長と教頭、そして担任の田嶋。
慣れない雰囲気に少し落ち着かない。
そう、ここは校長室。
職員室に行ったのはいいが、俺が中に入るや否や、田嶋に半ば引っ張られるような感じで此所に連れて来られたのだ。
「まだ新しい環境に慣れないとは思うが、判らない事があったら田嶋先生やクラスの仲間に聞くといい」
「佐久間、何でも質問していいからな!」
田嶋は眩いばかりの笑顔で俺に笑いかけた。……正直暑苦しい。
何でこの学校の奴等は、みんなむりやり話を進める奴ばっかなんだと尋ねたかったが、話がややこしくなるのは嫌だったからやめておいた。
「ん?元気がないな佐久間!朝飯は食ったのか?アッハッハッハッハッ!」
……ウザイ。
こう言う奴はマジで勘弁。
苦手な類いだ。
無駄にテンションの高い田嶋を見て、眉をしかめて苦笑いをしていると、突然校長が真剣な表情で俺を見た。
「あの、何スか…?」
「いや、実は君に折り入って頼みがあるんだよ」
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