伝承、使命。

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        「頼み…?」   「うむ。実はだね…」       〈この時――これは後に知る事になるのだが、俺は全く気付いていなかった。校長室の扉の隙間から、黒い影が、息を殺してこちらを覗いていた事を…。〉       「……"神の遺伝子"?」   「そうだ。どうやらこの学校に関係する者の中に、それを持つ者が居るらしいんだよ。それを是非君に探して欲しい」   「はぁ…」       いきなりすぎて、頭の中がよく整理されていないが、悪い話ではないだろう。 最近の平凡続きの毎日に飽き飽きしていたから、興味がそそられる。   とりあえず、先程聞いた話を要約するとこうだ。   つまり、この辺の奴等には、何でも願いを叶えられるという"神の遺伝子"を持つ者が、居るかもしれないという事。千年に一度生まれるか否かという、希少なものである事。 ……そして、そいつを探す役目を、俺にして欲しいという事。     「大変だとは思うが、この事は内密に頼むよ。大っぴらに出ると混乱を招くからね」    「判りました」      
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