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とん、と目の前に食事を並べていく。
お、和食だ。
白いご飯に味噌汁、鯖の煮付けとか諸々。
「すごいでしょー?」
うふふと笑い、俺の正面の椅子に腰掛ける。
「いただきます。」
「召し上がれ♪」
俺が味噌汁を口に運ぶのを、ブルーはじっと見つめていた。
「…なんだ?」
「おいしいかなーって。」
上目遣いで見つめるな。
ヤバイから。
「うまい。
お前が料理できるなんてな。」
「馬鹿にしないでよね?
シルバーとなんでもこなしてきたのよ?
家事全般何でもできるわ!」
胸はってブルーが言う。
「そうか…」
短く返事をし、料理を口に運ぶ。
うん、うまい。
ブルーも上品に食べている。
黙ってれば何も言うことないのに。
とつくづく思う。
お喋りな彼女が嫌いなわけではないが、黙っていた方がより綺麗だという意味で…
って、俺は何を…
ピンポーン
ふいにインターホンが鳴る。
「シルバーじゃないかしら。
きっと、私を探しに来たのね。」
くすっと彼女が笑う。
「無断で出てきたのか。
弟に心配かけるな。」
「だってー」
ブルーの話も聞きつつ、ドアを開ける。
予想通りの顔がそこに。
それも、かなり不機嫌そうな。
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