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「俺はこんぐらいで丁度良いっすけどねー!」
ニカニカとゴールドが笑う。
「お前の意見はどうでも良い。」
「ゴールドはクリスに作ってもらえるでしょ?」
姉さんが怪しい笑みを浮かべながら、ゴールドに尋ねる。
「え、いや…
クリスとはそんなんじゃないっすよ!
俺は姐さん一筋っす!」
目をキラキラと輝かせて、姉さんに猛アピールするも全く通じない。
他愛もない会話を続けているうちに、俺はあることが気になった。
「姉さん、どうしてグリーン先輩に料理を作ろうと思ったの?」
素朴な疑問だった。
姉さんなら、
なんとなくよ!
って回答もありだろうけど。
ここまで用意周到にしているのだから、何かあるだろう。
「グリーンね、最近ろくなもの食べてないのよ。
っていうか、食事をあまり食べてないと言うか。」
姉さんは溜め息混じりに教えてくれた。
「グリーン先輩は仕事人間っすもんねー」
ゴールドがつまらなそうにぼやく。
確かに。
姉さんをほったらかして、アイツは仕事ばかりだ。
「そうよねー。
だからこそ、美味しいあたしの料理でも食べて、仕事の能率を上げてほしいのよっ★」
姉さん得意のウインクで、ちゃらけた感じが増す。
姉さんがごまかす時はよくそうする。
姉さんは本気で心配しているってことだ。
ゴールドは気付かず、顔を赤らめてるけど。
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