とある青年と少女の話。

2/4
前へ
/6ページ
次へ
「にゃー♪」 「……」 理子(かのじょ)は泣かない。 泣いているところを見たことがない。 隠れて泣いているときもあるのでは、と思ってみたりもするがそんなそぶりもない。 彼女は、もしかすると泣けないのだろうか。 いまも、むかしも 「しろちゃん?」 ふと、思考を戻すと目の前には理子の顔。 くりっとした緑の瞳が自分を見つめていた。 「……どうした、理子」 「にゃ、どうした、じゃないにゃ。しろちゃんこそ、何か考えごとにゃ?」 「まあ……いろいろな」 「ふうん……まあいいにゃ。ね、しろちゃん、あそぼうにゃっ」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加