第一章 分岐点

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「お前ら、合宿あるから」 ……………………………………。 ………………。 ……。 んー、えっとぉ……うん、あれだ。漢字四文字で言うと思考停止。ちなみに再開まで約十秒。十……九……八……七……、 「で、だ。日時は八月の頭からの三日間。場所はここ。だからまぁ――」 「ちょっと待てェッ! まず止まれェ!! そして見てみよう! あんたの生徒がどんな顔して何を思ってるのか察しよう!」 無理だった。思考停止とか敬語とか、そんなの跳躍してツッコミが口から飛び出してしまった。 でもクラスメイトの気持ちは代弁した筈。「おぉ……」と感心した声があちこちから漏れている。 少し余談に入るが、クラス対抗戦の時――つまり俺が召喚事故を起こした時だ。それ以来、クラスにはかなり気まずい雰囲気が漂っていた。 それを払拭し、以前のような雰囲気に戻すことが出来たのは、良哉達と新崎先生のおかげ。感謝してもしきれない。 ともあれ。 「合宿ってどういうことですか新崎先生。何と言うか、かなり初耳なんですけど」 「そりゃ俺が言ってないからな。何当たり前のこと言ってんだ城川」 開き直りやがった……!
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