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「そんじゃ、用も無しに呼んだだけじゃあ、ウンディーネに悪いから、軽く手合わせだけでもやってみるか。今回、相手にするのは……まぁ適当でいいよな」
軽い調子で言って、新崎先生は二つの簡易召喚陣を用意し、床に敷く。
一つは小さな、下級召喚獣の召喚陣。
詳しくはよく分からない。
対し、もう一方の召喚陣はかなり大きめ。しかもこちらは見覚えがある。
確か、守護精霊の召喚陣だ。
ってちょっと待て。
「じゃあ、やっぱり戦闘服に着替えた方が良かったんじゃ……」
……。
「いや、城川は指示だけで良い。ウンディーネがどんな能力を持ってんのか詳しく知りてぇだろ? いきなり一緒に戦っても、ほら、連携とか全然だと思うしよ」
何? 何だよさっきの沈黙は……!
行き当たりばったりなのか?
行き当たりばったりなんだな!
しかしまあ、新崎先生の言うことは正しい。ここは親睦も兼ねて、一丁頑張ろうか。
よし、と気合いを入れる俺。
まさしくその時である。
『――どうでも良いが、あまり私を待たせないで欲しいな。黙ってはいたが、少々主らは脱線し過ぎておる』
俺の真ん前に突っ立っている青い髪のお姉さんが、仰々しく言葉を発したような……気が……し……た……?
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