第一章 分岐点

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 ◇ 「ところで新崎先生」 特訓が終了し、ウンディーネを送還した俺は、眠たそうに欠伸をする新崎先生に言葉を飛ばす。 ちなみに特訓だが……まぁ凄かった。 相手が下級召喚獣だけに圧倒的。 もちろんウンディーネがだ。 「あん?」 「俺が使うメインの召喚獣って、他にはどれくらいいるんですか? というか、何の召喚獣ですか?」 ふと思っただけなのだが、聞いて損は無いし、何か楽しみだったので聞いてみた。 ウンディーネがメインに扱う召喚獣の内、一体。確かに新崎先生はそう言ったのだから。 「あー……それはまだ決まってねぇ。取り敢えず、早い内に一体だけでもって思ってな」 何か、新崎先生は急いでいるのだろうか? でも召喚獣を扱えないと不利だとか無理な行事はしばらく無いぞ。 クラス対抗戦は今のところ再開の目処が立ってないらしいし、合宿と言っても……いや考え過ぎか。 まぁ、たまにはこういうことがあって良いじゃない。平穏でよろしい。 と適当に結論づけた俺の視界で、 「……あ、いけね」 新崎先生がポツリと波紋を残した。
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