第一章 分岐点

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言った先にこれかよ、と思うが、ここは黙って耳を傾けねば。多分またツッコむことになるからそれまでチャージ。 と呑気に構えていたのだが。 「ミスったな……。東宮と合同合宿だって知る訳ねぇよな、お前ら?」 「…………は、――はぁぁああッ!?」 あまりに予想外だったため、敬意ゼロの馬鹿みたいな受け答えになってしまった。 ぬぅ……。 てか、合宿の要項にはそんなこと一つも書いて無かったような気がするぞ。 ちなみに先生の言った東宮とは、東宮召喚師学園のことである。まぁ、簡単に言えば北守と並ぶくらいの色々と凄い名門校だ。 説明はここまで。俺はコホンと咳ばらいをし、「どういうことですか?」と尋ねた。先生が説明ならぬ弁解を始める。 「んとな、準備とか日付の要項は渡したんだけどよ、どうも詳しい内容の予定表は渡してなかったみてぇだわ。……蓮に殺されるかな」 ……。 懸念してる所、そこか。 言葉を失う俺に、目の前のダメ教師はさらなる爆弾を投下する。 「で、だ。ぶっちゃけるとお前は向こうの推薦入学生に目を付けられているみてぇなんだ。最悪なことに、それに向こうの教師陣はノリノリでよぉ……」 それってつまり……。 「まぁ、こっちは全力でフォローする。だから、死ぬ気で頑張れよ? ……ウチの看板背負うつもりで」 う、うぎゃあああああっ!!
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