3282人が本棚に入れています
本棚に追加
/518ページ
投げ掛けられた質問に即答はできなかった
「…やっぱり、そうだろうと思いました
だからこそ、これ以上関わらないでほしいんです!
幸せにするつもりがないのなら、これ以上姉に優しくしないでください」
「裕太くん?
一つ聞いていいかな?
…それは弟としての意見?
それとも…一人の男としての意見?」
一瞬、裕太くんの体に力が入ったとこを俺は見逃さなかった
「もし、ただの弟としての意見なら…俺は君の申し出を断るよ。
それを決めるのは千秋自身だし、弟の君が首を突っ込むことじゃない
君には関係のないことだ」
はっきりと言ってやった
ただのシスコンなら話に入ってくるなと…
この手の話は男女の話なんだ
「……俺だって、好きでこんな立場にいるわけじゃないんです
出来ることなら俺が幸せにしてやりたいって…
何度も思いました
でも!
それが出来ないから…
出来ないからこそ、他人に求めたいんです
俺以上に千秋を大切にしてくれるように…」
消え入りそうな声を聞きながら、彼のあの視線を思い出していた
あれは…
嫉妬だったのだと
最初のコメントを投稿しよう!