昼=二人話し

2/3
1199人が本棚に入れています
本棚に追加
/365ページ
「僕、一目惚れしたんだ!」 学校のお昼休み。 僕、浜崎梨斗は一番の親友、田村哲平にそう告げた。 「お前!!!それ、まじか!?」 明らかに動揺を隠せない哲平君。 それもそのはず、僕は普段から女の子とは滅多に話す事は無い。 理由は明白だ。 おデコから右目に掛けて包帯で隠しているからだ。 僕は、過去に父親に虐待を受けていた。 その時に出来た物だ。 僕自身、その事を振り返るのは嫌いだ。 あの時の事を思い出すと、今でも泣きたくなる。 「どうしたんだ?暗い顔してるぞ?またあん時の事、思い出したのか?」 哲平君は実に頼もしい。 僕が悲しい時や辛い時、いつも側に居て話し掛けてくれる。 「ううん。大丈夫だよ!」 「そっか。ならいいや。それより、相手が誰か教えてくれよ」 哲平君は興味津々に聞いてくる。 しつこく聞いてくるので僕は相手が誰か教えた。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!