極彩色のチラシ

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梅雨が明け、晴天に恵まれた本日。 生い茂る深緑の草木からは、本格的な夏がそこまで迫っている事を感じさせられる。 爽やかな風が流れる中、僕は庭先の草むしりをしていた。 本格的に夏到来となってしまうと、雑草はあっという間に膝上近くまで成長してしまうのだ。 手が付けられないほどに成長してしまう前に、庭掃除を済ませておこうと思い立ったのだ。 まだそこまで蒸し暑い季節でもないのに、僕の額からはダラダラと汗が滴り目に入ってとても痛かったが、首に掛けたタオルで何度も拭っては黙々と草むしりに専念した。 頑張ってやったということもあり、一通りやり終えた頃時刻はまだ正午過ぎだった。 タオルで顔を拭ってエアコンのきいた屋内へと戻り、冷蔵庫に入ってキンキンに冷えているコーラを一気に口の中に流し込んだ。 普段は少し飲み込んだだけでもむせてしまいそうになるのに、どうして汗を流した後の炭酸とはこんなに美味しいのだろうと痛感させられた。 コーラのボトルを口に付けたままリビングに向かった。そしてふとテーブルに目を向けるとそこにはあるものが置かれていた。
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