26人が本棚に入れています
本棚に追加
家を出ると見計らったように向かい側の家のドアも開く、中から栗色の髪の毛、肩までのセミロング程よく整った顔の女の子が出てきた
「よ、ゆり」
こいつは幼馴染の天海由梨菜(あまみ ゆりな)、小さい頃よく遊び相手にさせられたっけ…あの時も可愛かったもんだ
と思い出に浸っていると
「陸人おはよっ」
「お…おう、今日も頑張れよ!」
くぅ、動揺して言いたくない事を…!
ゆりは顔を赤くしてうん、と呟くと先を歩いた
はぁ…今日起こるであろういつもの出来事を予想して、肺から重苦しい息を吐きだすとゆりの少し後ろを歩き始める
いつもの〝あいつ″と待ち合わせている十字路についてから5分経過
「修遅いね、まぁいつものことだけど」
ぬぅ…俺が近くにいるのにな…
「んまーもうそろそ「おーい、ゆりー陸人~」…ほら行ってこいよ」
そう言って彼女の背中を押した
…………
「…うん!」
一瞬考える素振りをし、こちらに笑顔を見せた後修に駆け寄った
・・・・・・・ふぅ、ゆりの手伝いも疲れるな(精神的に)…幼馴染だからってあんな約束しなければよかったかな?
「修おはよ~っ」
「おわっ、ゆり抱きつくなって」
あいつ、言葉だけ聞けば照れてるようにも聞こえるけどゆりに好きな人がいることを知っている、誰かは気づいてないけど
「えっへへ~」
今日もイチャイチャしてんなぁー
こればっかりはしょうがないよな、約束だし
「おっす陸人、おはよ」
こいつ人の気も知らないで
「ぐんもーにん、朝からお熱いですねお二人とも」
俺はこうして少しの皮肉しか言えない
「だってさ、ゆりが離れないんだってば」
「しゅう~」
ゆりはゆりで照れてるしよ
「先に行ってるからなー」
とても見ていられない状態になったので俺は逃げる
ヘタレ?こんな状況に出くわしたらお前らもこうするだろ?
「あ、ちょ陸人ヘルプ!!!」
ゆりの意中の人あのイケメン君光池修(みついけ しゅう)とは、高校で知り合った。ウマが合いそれからよく話すようになったが親友とまではいかない
向こうは親友だと思ってるけど
最初のコメントを投稿しよう!