外章

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鉄は全身ではなく、適材適所に氣を纏って攻撃してくる。 そして、その氣は触れられれば最後、二条の氣を乱し、死へと誘う。 厄介なのは触れてはならないという事だ。 鉄と接触した瞬間に勝負が決まる。 触れても、触れられてもならない。 神経を研ぎ澄まし、鉄の全身の動きを見る。 やはり、戦いにくい。 武器で攻撃すればいいのでは?と思うだろうが、そうはならない。 武器(近接)ならば、鉄の体に触れる必要がある。 触れた武器に氣が伝わり、相手を殺す。 一瞬の接触ですら、死に繋がる。 卑怯だとは思わない。 これが鉄の戦い方なのだ。 戦いが続く中、二条の無魔法が鉄を捉え、体を揺らす。 好機! しかし、鉄の前では無意味だった。 カウンターを貰ってしまった。 そしてそれは、二条の敗北を意味していた。 「……なん………で」 「事象や物事には、必ず氣の流れがある。 今、二条は好機と思っただろ? 俺はその流れを氣で断ち切っただけだ」
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