ステージ1

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更に一歩踏み出した時だった。 (―――殺気!!) 俺はその場から横へ飛びのいた。 そうしなきゃいけないと直感したのだ。 その瞬間、 ―――バァン!! 破裂音と共に、先程俺が立っていた場所から少し後方の地面が爆ぜた。 すぐに理解した。 感じた気配は人間で、しかも俺を狙撃したのだ、と。 人であったという事に内心、若干の喜びがあったものの、狙撃された事でかなり憂鬱だ。 (めんどくせぇ事になっちまうなぁ、こりゃあ・・・) そう思いながら、懐のホルスターから銃を抜く。 その直後、 「残念だが、狙撃は失敗だぜ?さっさと姿を見せな!!」 と、声を張り上げて挑発ともとれる発言をした。 黙っていても良かったが、久しぶりに人を相手にしているのだ。 敵意を向けられたとは言え、会話くらいはしたい。 ・・・まぁ、まともな口上でもないし、まともな会話も期待できないが。 一拍おいて、ガンショップの屋根上に一人、店内から二人の人物が登場した。 男のみの三人組で、外見は不良、という言葉がしっくり来るような恰好だった。 恐らく、こんな世界になる前は街の不良チームか何かに居たのだろう。 と、テキトーに考えていたら、屋根上に居た一人が口を開いた。 「ああ、失敗しちまったよ。勘の良い奴だなぁ?お前。」 どう聞いても友好的とは思えない言葉だが、わざわざ敵対する気はない。 「まぁな・・・。そこはお前らのテリトリーって事だな?」 ガンショップを指差して、俺はその男に返答した。 「その通りだ。」 「済まないが、弾をわけてくれないか?用はそれだけなんだ。狙撃された事についてはチャラでいい。」 なにも拠点にする必要は俺にはない。 うまく事が流れてくれることを祈るとしよう。 「ハハハハハッ!寛大だねぇ?だけどよぉ・・・。」 その言葉に続いて、三人組は銃をコチラに向けて構えた。 やはり、神様なんてモノはアテにならん事を実感した。 (・・・まぁ、最初から分かりきってはいたが・・・めんどくせぇ・・・) 「まあ、言う必要も無いかもしれないが・・・、持ってるもの全部置いて行きな。そうすりゃ命まではとらねぇよ。」 男はそう言ってにやり、と口を歪めた。 三対一、人数的には圧倒的に不利だ。 だが、だからといっておめおめと逃げる訳にもいかない。 まして、男の言うとおり持ち物を置いたところで、殺される可能性もある。 「で?答えは?」 俺は口を開いた。
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