ステージ1

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都市内へ入った俺は高層ビル郡を見上げていた。 流石に大都市だけあって、空が狭く見えた。 しかし、やはり人っ子一人見当たらない。 入ってすぐだから仕方ないのかもしれないが、まるで、世界に自分一人が取り残されたような気分になる。 また、一人きり故の心細さの為か、建ち並ぶ高層ビル郡が崩れて、自分が押し潰されてしまう様な想像をつい、してしまう。 ・・・ダメだ、立ち止まると悪い方向に考えがいっちまう そう思った俺は、更に進んで行くことにした。 錯覚に捕らえられていても仕方が無い。 それよりも優先すべき事は山積みなのだから。 長旅をしているが故に、まず何よりも必要なことは、食料確保だ。 これだけの大都市なのだ。 何も得られないということは、まず有り得ないだろう。 つまりはこんな状況だから、『無断で失敬』する、ということだ。 この旅の中で、段々と麻痺していっている内の一つが、これである。 平時であれば勿論問題だ。 だが、誰も居ない街から街へ旅をしているのだ。 ある面で、割り切るしか無い。 とにかく、食料を確保しなくてはならない。 そういった店を探すため、更に俺は先へと進み出した。
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