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五里霧中
俺もそんなにバカじゃない。ちゃんと学習する。学校を卒業するころ、俺はようやく悟ったことがある。
痛い目を見たくなかったら早々に諦めるが吉だ、と。あとは余計なことに首を突っ込まず、波風たてないように静かに動くのがベスト。立ち止まってもいいだろう。
過去を見ず、未来を望まなければ、それなりに生きることは出来る。それで良しとするかは個人によるが、他人の意見など俺には関係ないことだ。
楽に生きようぜ。
無理したって良いことなんてそんなにないんだから。
痛くて苦しくて辛くて悲しい――人生はそんな感じの喜劇なんだから。
無論、これも俺個人の意見だ。
人生は楽しい、希望に満ち溢れ、美しいものだと言うのならそれでも構わない。俺はそれを羨ましい、眩しいと思いつつ曖昧に嘲笑うだけだ。
本当、なんでこんな風になったかな。
思うに――俺の生まれはきっとあらゆる意味で最悪だったのだろう。
不幸と不運と親友になるべく生まれたんじゃなかろうか。
まぁ・・・・・・それは言い過ぎだろう。
人生の不幸は俺なんかには計れないものだしな。
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