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「あの場にいたわけだから明海さんが油断するのも解るけど。それでもアスカは『普通』なんだから」
そこは配慮してあげないと。――まぁ引っ張り込んだのは俺だけど。
「だから油断したって言ってるじゃない。反省してるわ」
「・・・・・・で、明海さん。アスカになに聞かれたんですか?」
アスカは『普通』だ。外見は別として中身は小市民だ。都合の悪いことから目を逸らすことに抵抗はないはずで、その後で気にかけてしまう辺りがなんとも言えない『普通』に拍車をかける。
そんなアスカがいなくなるほどのこととはいったいなんなのか――好奇心を抑えられない自分がいるのを自覚する。
「・・・・・・ゆうが指示を出していたの。若ちゃんを襲えって」
「範田勇次郎が?」
「――らしいわ。確定したことは言えないけど、若ちゃんを襲った子、どうもゆうを指名していたお客さんの甥っ子らしいのよ」
「・・・・・・まぁ面識はあったってことでしょうね」
あの部屋で起こっていたことを考えれば、下世話な話だが肉体的な繋がりもあっただろう。
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