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とはいっても手掛かりはなし。アスカの行動範囲なんぞ把握していないし、行きそうなところの心当たりもないし、そこを探したところでいるわけでもないだろう。
手詰まりだ。
範田勇次郎のことが関わっているのなら、それに関わるところに向かったのだろうが・・・・・・しかし以前心当たりは探したと言っていた。今更そんなとこれを回る理由はない。
そもそも生きてるか死んでるのか解らんような奴を探すなんてのは――
「・・・・・・ん?」
「どうかした?」
「いや、何か引っ掛かって・・・・・・明海さん、ちょっと質問」
「何?」
「俺が範田勇次郎の部屋に行った時、本当は尾上さんを向かわせる予定だったんですよね?」
「そうだけど?」
「おかしくないですか?だって尾上さんは範田勇次郎の実家を見つけたんでしょ?なのにそれより情報が揃ってる今の住まいを見つけられないなんて」
「そういえば――そうね。全然気にならなかったけど・・・・・・おかしいわ」
だからこそ俺に回したのだ。自分では知覚出来ないから、それが出来る俺に押し付けた。
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