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彼らが祈っているのは範田勇次郎の輝かしい笑顔の写真を拡大コピーしたものを額縁に飾っているものだった。
どうでもいいが、画像がかなり荒い。よくあんなものを有り難がれるものだ。
苦笑を浮かべて、踵を返そうとした時、彼らが頭を上げた。
バレたか?
身体が緊張を伝えてきたが、彼らは俺のことなど無視するように身体を起こした。
隣にいるものに微笑みかけ――
「は?」
――無造作とも言える動作で、お互いの胸にナイフを差し込んだ。
鮮血が散る。倒れる音が響き渡る。それでも彼らは笑顔だった。中には絶頂に身を震わせる者すらいる始末で、さすがに俺も混乱した。
なんだこいつらは。
とりあえずドアを閉め、ドアノブから指紋を拭き取った。
呼吸を整え、単純に答えを出す。
どうやら範田勇次郎は新興宗教の教祖になっているらしい。まぁ出来ないことはない。いや、合っているといっても良い。そういう才能が範田勇次郎の瞳に宿っているのは間違いないのだから。少なくともこれではっきりした。
範田勇次郎は『支配の魔眼』持ちだ。それもかなり強力な。
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