五里霧中

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王の瞳。救世の蒼き瞳。他様々な言い方をされる能力だ。後天的に芽生えることのない特別。神話の救世主や、宗教の開祖。国を変えたようなカリスマ。あるいは偉大な王が持っていたとされるものだ。 それぞれの立場や性格によって、効く効かないはあるものの、強力なものであることは間違いない。 面倒臭くなってきました! アスカに効かないのは実証済みであるから良いとして、範田勇次郎には他にも魔術や呪術的な技術を持っているわけで。 それをなんとか出来ないことはないんだが、酷く面倒なのは変わらない。 雑魚がわらわらと出てくるだろうしねぇ。 すげぇ帰りたい。余分な労力も払いたくない。ケガもしたくないし。 ・・・・・・面倒臭い。が、そういうわけにもいかないんだよなぁ。こっちはアスカを連れ戻せればいいわけだから、その辺りで妥協出来るようになんとかするしかないか。 邸宅の奥に足を進める。男女の絡み合う濃い臭気が、ここからは漂っていた。
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