末っ子という名の弟

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俺の弟は可愛い。 「そーちゃん!」 一回り離れて生まれた末っ子。次男が昔からクールで可愛気ないこともあってか素直で甘えん坊な末っ子が可愛くて可愛くてたまらなかった。 「どうした、ちかちゃん」 「あのね、ぎゅーって抱っこ!」 そらもう可愛くて可愛くて……!!! 自分でも自覚があるくらいにでろんでろんに甘やかした。 成長しても末っ子は可愛かった。 「そー兄ちゃん」 昔変わらずのふわふわした猫っ毛に人懐こい笑み。 小さかった体も人並みには成長したようだが俺からしたらまだまだ小さくて可愛く見える。 「ん?」 「ぎゅー」 相変わらずべったりくっついてくる姿に年甲斐もなく目尻が下がる。 あぁもう本当にうちの末っ子は可愛い…! 「…そー兄ちゃん、むらむらしてきた」 「…ん?」 「兄ちゃんー…」 か、かわい……!…がここまで甘やかして諸々致しちまうのは長男としてだめなんじゃないかと最近思ってきたが……末っ子の可愛さには抗えないから仕方ない。
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