217人が本棚に入れています
本棚に追加
その笑顔は俺が大好きなちょっと何かたくらんでいるような、不敵な笑み。
男は俺に「僕にも同じ物を」と言ってきた。
同じ物を飲ませるなんて、本当は凄く嫌だけれど、仕事上そういうわけにも行かない。
俺は仕方なく一歩下がったところでカクテルを造り始めた。
「君も今日は仕事だったのかい?」
「ええ。あなたもそう?」
「ああ、こんな大雪の日には誰も仕事なんてしやしないって言うのに、融通の利かない上司でね。」
「あら、融通の利かない上司が他にもいるなんて奇遇だわ。」
それは佐藤さんのことだな。後で言いつけてやる。
俺は心の中でそう愚痴を言った。
最初のコメントを投稿しよう!