番外編

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その笑顔は俺が大好きなちょっと何かたくらんでいるような、不敵な笑み。 男は俺に「僕にも同じ物を」と言ってきた。 同じ物を飲ませるなんて、本当は凄く嫌だけれど、仕事上そういうわけにも行かない。 俺は仕方なく一歩下がったところでカクテルを造り始めた。 「君も今日は仕事だったのかい?」 「ええ。あなたもそう?」 「ああ、こんな大雪の日には誰も仕事なんてしやしないって言うのに、融通の利かない上司でね。」 「あら、融通の利かない上司が他にもいるなんて奇遇だわ。」 それは佐藤さんのことだな。後で言いつけてやる。 俺は心の中でそう愚痴を言った。
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