青い惑星

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クッキー、マドレーヌ、チーズケーキ、ブラウニー、それからチョコレート。今日は色彩豊かな袋に包まれたお菓子達が学校中を走り回る特別な日だ。 「はい、皆に配っているからシノも一つ取って」 「シノ、私もあげる。チョコレートケーキを焼いたの」 もう高校二年生なので、実質、誰かにお菓子を授受できる最終年度だ。彼はきっと毎年たくさんの気持ちを貰うだろうけれど、今年は際立ってそうだろう。 私は当然、そこには参加しない。 胡桃ちゃんは誰にあげるのと聞かれると、毎年必ず、義理チョコはしない主義なのと答える。 それは『あなたの好きな人に何もあげない』という意味を含んでいるのだが、それを知ってか知らずか、女の子達は皆『そうなんだ』と機嫌良さげに笑う。 「うー……シノに渡したいのに、勇気が出ないよ……」 綺麗に仕上がったマフィンを胸に抱え、桃ちゃんが私達の前でべそをかく。私もさっき同じものをもらったが、チョコチップとレーズンが惜しみなく入っていてとても美味しかった。
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