☆...Strawberry cafe

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─コトンッ 「お疲れ。」 カウンターでうなだれていた私の目の前に、私が作った物ではないケーキが置かれた。 「え?」 驚いて顔をあげると、カウンターの裏側でコーヒーを淹れるりっちゃんの姿。 「これ…。」 「俺が作った。」 イチゴの入ったロールケーキ。小さい頃からの私の大好物。 「好きだったろ?イチゴの入ったロールケーキ。」 淹れたてのコーヒーをケーキの横に置いて微笑むりっちゃん。 覚えててくれたんだ。 嬉しくなって、思わず笑みが溢れる。 「ありがとう。頂きます。」 一口食べてみると、甘いクリームとふわふわのスポンジ、 後から来るイチゴの酸味が程よく溶けて、さっきまでの疲れはなくなるような優しい味だった。 「美味しい!!」 りっちゃんはケーキも作れるんだ…。 なんかすごいな。 感心しながら、りっちゃんの方を向くと、 コーヒーを淹れながら私の方をみて微笑んでいた。 ドキッ──!! 初めて私に向けられた、りっちゃんの優しい笑顔に思わず胸が高鳴った。 顔がみるみる熱を帯びていくのがわかった。 「そんなにうまい?」 りっちゃんは私が食べていたフォークに、ロールケーキを少し切って自分の口に入れた。
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