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かすみのいちごのように赤くなった顔を見て、優は意地悪をして、わざとかすみの髪に顔を埋めた。
それはちょうど耳に唇か当たるか当たらないかの位置のため、かすみの脈拍は上がるばかりだった。
背中から伝わる優の心音と体温に、かすみは涙目になると同時にさらに顔を赤くした。
シチューを混ぜる手を止めることもできず、それがふつふつと暖まっていくのを見ていた。
「…ね…優…離して…?」
ドキドキと脈打つ心臓に逆らうようにして優に懇願してみるが、優は首を横に小さく振って、いやだと態度で示す。
「優…こどもみたいだよ?」
「るせぇ…15年我慢してたんだ、少しくらいいいだろ」
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