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優に優しく問われると、ついまた涙が溢れてきそうになる。
かすみは胸の奥がきゅう、とするのと息が苦しいのとで、上手に話せなかった。
「…う、嬉し…かった…の……っ。優…私のこと…すきって…」
かすみが震える声でそう言えば、優は優しく抱き締めてくれた。
身長差のせいで、優の腕がかすみの首に回される。
かすみは優の胸に額を付け、彼の二の腕の袖を力一杯握り締めて泣いた。
「…ね。いい加減、お腹空いたんだけど。いつまでそーしてる気?」
冷めた声のした方向を見れば、夏夜と和が引き戸の隙間から顔を覗かせ、こちらを盗み見していた。
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