◆序章◆

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「つまらない! というか、いっぱいいっぱい!!」 久しぶりに取れた仕事休み、連休。 東京に程近い、美果の住む市は只今夏の盛りである。 最近の関東と来たら夏は暑さがこもる様で、エアコン無しでは息も出来ないくらいに過ごしにくい。 そんなわけだから、休みもついつい部屋にこもってしまうわけだけれども。 「クゥゥ…ン」 愛犬の白い犬が鼻声を出す。 休みなのにかまってくれないご主人に、少々不満げだ。 その様子を少し離れたところから灰色の猫が呆れ顔で眺めている。 手持ち無沙汰で開いたパソコンの画面は、先ほどからずっと検索サイトの表示で止まったっきりだ。 当たり前の平日、仕事の関係で土・日はなかなか休みが取れないから友人たちとも過ごせない。
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