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私の伴侶となった男は、とても自分勝手な人間でした。 男にとって私は奴隷であり、玩具であり、飾りだったのです。 子供を嫌っていた男は、私が妊娠すると薬を飲ませました。 胎児を流す為の薬です。 そのくせ好き勝手に私を抱き、避妊に気を遣う事はありません。私が嫌がると、逆らう気力が無くなるまで痛め付けるのです。 何度も流産を繰り返した私の身体は、子を宿す事が出来なくなっていました。 男からの扱いと、度重なる流産に、涙も枯れ果てた私は次第に窶れていったのです。 結婚前は、男性からの求愛をそれなりに受けました。容姿は良い方だと自負もしていました。だから、男は私を飾りに選んだのだと思います。 でも最近の私には、そんな面影は欠片も残っていませんでした。 男はそんな私が邪魔になったのでしょう。 私を奥の部屋に連れて行くと、梁から吊しました。そして襖を閉めたのです。 それでも私は、暫くは生きていました。 首に絡むロープを掻き毟り、苦しみに足掻きながらも、生にしがみついていたのです。 その時、襖の向こうに人の気配を感じました。 私は遠退く意識で、襖の隙間から向こうの部屋を覗きます。 そこに見えたのは、あの男と見知らぬ美しい女が絡み合っている様子でした。 男は女の中に入り、互いにリズムを合わせて蠢いています。 私はそれを覗き見ながら、身体中の筋肉が弛緩するのを感じました。 汚物を垂れ流し、鬱血した顔の穴という穴からは体液が滲み出ます。 そして私は、人間の尊厳からは程遠い場所で、事切れたのでした。
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