交差する激情

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志穂は目を見開いた。 ああ、意外とでかいんだな。 そんな瞳の中には、どこまでも小さい俺がうつってる。 「俺に恥かかせんじゃねえよ! 世間体考えろよな! 俺がお前にフられるとかありえねえだろうがよ! どうせ彼氏いないんだろ…? だったらちったあ俺のことみてくれよ!」 俺は何を言ってるんだろう。 志穂は、そんな俺をみて、手を伸ばしてきた。 その手は、そのまま俺の頭におかれる 「わかったよ。 付き合ってるフリなら、世間体のためにするから。 だから、そんな見捨てられた子供みたいな顔しないで 雄矢君」 志穂は、そう言ってそのまま俺の頭をわしゃわしゃと撫でた。 その動作が、暖かくて 暖かすぎて 俺は気付いたらボロボロと泣いてしまっていた。 それこそまるで、見捨てられた子供のように―…。
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