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「おぅ、こんな時間にどないしたん。えらいべっぴんな彼女さんつれて~」
背丈は葱と同じくらいだ。
というか関西の人? だろうか。
右手にはコンビ二食
塾帰りらしいショルダーバッグに勉強道具が敷き詰っているようだ。
葱の反応から、葱の友達なのだろうな、と感じたが
彼女と言われ顔が赤くなってしまう。
「彼女さんじゃお邪魔できんなー」
ゲラゲラと笑う
笑い方が静かな葱とは正反対だった。
ズボンが下がり、脱げているのかそれとも見せパンなのかわからない黒いパンツがのぞいている。
最近の男の子ってこういうものなのだろうか。
よく分からない。
「な、可愛いだろ。でも残念。俺の姉ちゃんだ」
「えええ!?」
声をあげたのは私だった。
なんかナチュナルに可愛いって言われたよ!
日記に記念日として書いておこう!
そんな私と葱をみて、ますます笑いながら、自転車をひき、その少年は近付いてきた。
「ちわっす。葱の姉ちゃん。
おれは~葱の親友で満っていいます。
葱はおれのこと みつるつるって呼んでるんで。
そう呼んでくれてけっこーです
そんでさあ、怖がれる前に言っておくけど
この右頬、喧嘩やないで。
うつ教師に殴られたん」
私は、ばっと葱を見る。
葱はまるで自分のことのように痛そうな、申し訳なさそうな顔をしていた。
「みつるつる、容赦なく引っ張られて、殴られてたもんな。
一方的だった。大人って、細いくせにあんなに強いんだな。
クラス全員でさ、入ってこようとする先生閉じ込めて、教室の机は全部さかさまにして
計画立ててるときは楽しかったよ。
ボイコットってさ、クラスの団結力高まるし、思い出にもなるしって、みつるつるが提案したのに、俺も乗っちゃって
俺がやめとこう、って言えばよかったのにな。
温厚な教師だったから…笑って許してくれるかなって。
まさかそれでマジギレされて、殴られるとは思わなくって…」
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