7人が本棚に入れています
本棚に追加
私は葱が無事ならそれでいい
なんて考えた自分を恨んだ。
葱は、クラスメートが傷つくだけで耐えられない子だ。
それが、親友ならなおさら。
そんな気にするなって
とへにゃっと笑う葱の親友。
満。
私はそんな二人をみて、腕を引っ張った。
「今からなんかほしいもの奢ってあげる!
それともどっか行く?
いいよ、なんでもいって。
私は年上なんだから、バンバン頼ってよ!」
そう言って笑う私に
葱は呆れ、満は笑った。
「いい姉ちゃんやなあ」
「だろ」
そう呟く二人を
私は気付かずに前へと進んでいった。
そんな風に。
流れていく時間を。
温かな視線を。
ただただ
寒い夜空が覆っていた。
最初のコメントを投稿しよう!