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「お前がさっさと帰っちまった後、俺は一人で帰ったんだよ。
その後に盗み見した校内の誰かが、学校中の黒板に、俺とお前が付き合うことを書いたらしい。
ファンの奴らっていうよりは個人的に恨みでもあるのかってくらい執着じみたやり方だな」
私の耳はもはや音を拾わない。
どうなる。今までコツコツと積み上げてきたクラスの地位が。
「信じられない…」
私は、よくこんなことできるね
とだけ吐き捨てて、雄矢を軽く突き飛ばし、教室の方へ向かった。
「んだよ、感じわりー」
声自体は軽かった。
ナンパが成功しなかった、みたいなそんな感じ。
なのに、対照的に雄矢の方からは悲しそうな視線を感じた。
遊ばれてるのはこっちの方だ。
泣きたいのも、悲しいのも。
なのになんでそんな視線を感じなきゃいけない。
私は乱暴に髪をかきあげた。
雄矢が何を考えているか
これからどうなるのかがさっぱり分からなかった。
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