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「それでね、僕も誰かを助けたいと思った。今日、君からメールをもらって、僕が今支えるべき人は、君なんだと……」
美空くんは途中で話すのをやめ、左手に持っていた携帯に注目した。
携帯電話から、着信を知らせる機械音が鳴り響いていたからだ。
それは、俺が「ソラ」に電話をかけた数秒後から鳴り始めた。
やっぱり君は……
「ソラ、なのか……?」
「えっ?」
美空くんは、折りたたみ式の携帯電話を開いたまま、床に落とした。
それは俺の問いに動揺したという証拠だ。
床に落ちた後も、鳴り続ける携帯。
その携帯のディスプレイには、確かにこう表示されていた。
「着信:ユウ」 と。
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