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「……お兄ちゃん、敬くんの話はすべて本当よ」
いつの間にか俺の部屋の扉は開いていて、そこにはずっと部屋に閉じこもっていた奈津が立っていた。
奈津はソラを意識したのか、パジャマから私服に着替え、寝癖も直していた。
泣きはらしたのか、目は真っ赤に腫れていてメイクでは誤魔化せそうになかったけど。
「奈津、お前……かずにいじめられているのか?」
「かずくんはいじめの原因を作っただけ。私の場合は、かずくんを慕っている女の子たちから嫌がらせを受けていたの……」
「僕も同じ。伊川くんはうまく周りの人間を利用して、僕を陥れたんだ」
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